じんたんのブログ

シカゴでの研究留学生活、その関連情報を記載していきます。

Survival analysisの解釈時の注意点

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時間がある時に復習もかねて上記本を1 chapterずつ読んでいるのですが、Survival analysis、特にKaplan Meier CurveやCox proportional hazard modelの解釈に関して、理解が抜け落ちていた部分があったのでメモ。

 

1. これは有名な話ですが、Kaplan-Meier CurveはConfoundingを考慮していない、つまり単変量解析と同じである。

 

2. Time-to-event解析ではCensorがイベントと独立していることが想定されている。つまり、Loss to follow-upした人がイベントが起こりやすかったり、起こりにくかったりと、イベントと関連があっては本来いけない。

 意外とここの部分注意してデータをみたことがなかったので、勉強になりました。ただ、調べてみると、Censorがイベントと独立しているかどうかを定量的に評価することが難しいようで、臨床知識に依るところが大きいようです。また、ほとんどの場合は評価が困難なので、独立していると想定して解析をすることが多いようです。

 

3. Cox proportional hazard modelではProportionality assumptionの評価がされているかどうかが重要。

 これは最近意識して評価するようにしているのですが、ハザード比が時間に関係なく一定だという想定の元にハザード比は計算されているので、ハザード比が時間依存性である場合にはProportional hazard modelは使用できません。その場合には、Time-varying Cox modelを使用したり、Stratified Cox modelを使用したりする必要があります。

 Proportionality assumptionの評価に関しては、いくつか方法がありますが、Shoenfeld residuals, log-log plot, time-varying Cox modelによる評価が一般的です。Shoenfeld residualsとTime-varying Cox modelはp値を元にProportionality assumptionがViolationしているかどうか分かるので客観的ですが、log-log plotは2値変数に基本的に変換しなければならないので、連続変数の評価が恣意的になる可能性、2つのカーブが時間経過に関係なく並行であることを評価するので、その評価も恣意的になる可能性があります。

 論文を見ても、Proportionality assumptionに関して、かなり詳細に記載しているものはほとんどないので、どこまでやるべきかは難しいですが、大きくViolationしないことはResearcherとして確認すべきでしょう。