じんたんのブログ

シカゴでの研究留学生活、その関連情報を記載していきます。

Composite endpoint (複合エンドポイント)に関して

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今日はComposite endpoinntに関して読む時間があったので、内容を要約。

 

Composite endpoint(複合エンドポイント)の定義:

二つ以上のOutcomeを一つのOutcomeとして使用すること。

よく知られているものとしては

1、ASCVD: Athrosclerotic cardiovascular disease = MI + Stroke + Death

2、MACE: Major adverse cardiovascular events

が挙げられる。

 

Composite endpointを使用することの利点:

1、研究がシンプルになる。

2、治療が複数のアウトカムに影響を与える場合、治療効果の評価が行いやすい。

3、発症頻度が少ないため、一つのアウトカムでは研究に必要な人数が多くなり、観察期間も長期に渡るが、複合エンドポイントとすることで、人数・観察期間を縮小でき、費用面でも研究を実施しやすくすることができる。

 

Composite endpointの問題点:

1、複数のエンドポイントを同等に扱っている:

例えば複合エンドポイントを心血管死亡、Non-fatal MI、Strokeとした場合、死亡はMIやStrokeと比べると患者・医療従事者にとって重篤なイベントである。しかし、Weight等を使用しない限り、これら三つのエンドポイントは同等に扱われており、患者・医療従事者にとっての重要性を正しく反映していない可能性がある。

2、複合エンドポイントに対するPositiveな効果は、含まれるエンドポイントの中で、最も発生頻度の多いエンドポイントに対する効果に引きずられ得る。

各々のエンドポイントに対する効果を検討すべきであるが、各々のイベントは数が少なくなるために、統計学的なパワー不足のため評価が困難となることも多い。

3、イベントの回数がアウトカムである場合、Competing risk(競合リスク)が含まれると、イベントの回数を過小評価してしまう可能性がある:

MIを何回繰り返したかをアウトカムとしたい場合、死亡するとその後のイベント評価が行えない。

=>初回のイベントのみ評価するとうの工夫が必要である。

 

Weightを使用したComposite endpointの調整に関して:

1、人によって各々のアウトカムの重要度に対する捉え方、考え方が異なる。

=> Weightを使用したとしても、主観的になりうる。

2、本書では主観的であっても、Weightを使用した調整が有用である可能性が記載されているが、批判的な文献があることは事実として知っておくべき。